Multistrada1200S(2015年モデル)の10,000kmインプレッション
とっくに10,000km走っているのですが今更ながらインプレッションを・・・。
特に機能について記載します。
機能
高級バイクは電子制御の塊と言われており、その中でもMultistradaはDucatiどころかバイク業界の電子制御バイクのフラグシップ的な位置付けになっています。
そこで主だった機能についての所感を下記に記載します。
また、電子制御は現在(2017年)においても過渡期といって良いほど日進月歩が進んでいるためそのうち古い情報になります。
ABS / トラクションコントロール / ウィリーコントロール
安全用の機能なのでまとめて書きます。
特に説明不要の機能なので簡単に、
ABS:タイヤのロック防止機能。急ブレーキ時等に作動する。
トラクションコントロール:トラコンとか言われます。タイヤの空転防止機能。急発進時等に作動する。
ウィリーコントロール:文字通り。急発進時などに作動する。
また、Mulutistrada1200S(2015)からコーナリング専用のABSも搭載しています。
これらの機能は後述するライディングモードで効き具合が調整されます。
上記安全機能ですが作動したことがないので所感はないです。
ライドバイワイヤ(電子制御スロットル)
最近の大型バイクであればついている機能で、アクセル感度の調整が可能です。
感度を上げればピーキー、下げればマイルドなバイクになります。
後述のライディングモードで効き具合が調整されるため、かなりの恩恵を受けます。
もちろんマニュアルで調整することも可能です。
ライディングモード
最近の大型バイクであればライディングモードはついているものですが、Multistrada1200の場合は走行中でも変更ができ、このバイクの目玉機能となっています。
変更できるモードは全4種で下記の通りに性能が変わります。
ライディングモード | 出力 | スロットル感度 | プリロード | ABS/トラコン感度 |
SPORT | 高 | 高 | 中 | 中 |
TOUR | 中 | 中 | 中 | 高 |
URBAN | 低 | 低 | 低 | 高 |
ENDURO | 低 | 中 | 高 | 低 |
走行中に変更ができるため、市街地ではURBANモードで走り、高速道路ではTOURモードで走り、峠道ではSPORTモードで走り、キャンプ場やフラットダートではENDUROモードで走るといったことがバイクを止めずに可能です。素晴らしい!!
URBANモードは出力が75hpでSPORTモードにした場合一気に150hpになります。さらにスロットル感度も最大まで上がるため、文字通り別物のバイクになります。
そのためSPORTモードで整備された峠道を走るとURBANモードとのギャップのせいか、かなり脳汁が出ます。そしてSPORTモードに変更した瞬間は加速時に体がバイクに追い付かずに反り返ります。
出力が大きく変わるため排気音も変わったように聞こえるのも素晴らしい。プロモーションの通り4種類のバイクを1台で体験できます。
ライダーモード(荷物の設定)
ライディングモードとは別に乗車重量の設定が可能で、プリロードが調整されます。
- ライダーのみ
- ライダー + バッグ
- ライダー + タンデム
- ライダー + タンデム + バッグ
まぁタンデムなんて使用しませんけどね。
クルーズコントロール
ハーレーや大型ツアラー等にはついている機能だと思います。
この機能は購入前はあまり興味がなかったのですが、いざ使用してみると長距離ツーリングにはかなり良いものだと感じました。
機能の説明としては速度を一定に維持するためのもので、高速道路などで使用するものですが、北海道では下道でも活躍しました。
この機能にはいくつか恩恵があります。
- 速度が一定なのでタイヤの減りが少ない。
- 速度が一定なので燃費が良い。
- 右手がフリーになり振動を受けなくなる。
- 速度が一定なので精神的なストレスが軽減される。
ツーリングの目的地までの高速道路等でストレスを溜めないために重宝します。
コーナリングライト
コーナーでバンクした方向にヘッドライトの向きを変えるという機能です。
このモデルの目玉機能の一つだったのですが、正直なところ実感できた場面はありませんでした。
深夜の首都高や東北道でヘッドライトの向きを注視してみなのですが、動いている様子が無くどうすれば機能するのかわかりませんでした。
夜の峠道とかだったら実感できるのかな?・・・行きたくないけど。
フルカラーLCD
とても視認しやすく、周辺の状況で色が変わります。
- 周辺が明るいと白背景に黒字
- 周辺が暗いと黒背景に白字
バイクの求めらえる表示機能は網羅しており、カラフルでお金を使っている感があります。
ハンズフリーイグニッション
バイクのキーを持っているだけで電源ON→エンジン始動ができる機能です。
最近の車は採用率高いのではないでしょうか?
キーを無くした人のために、タンク先端(ハンドルの下)あたりに緊急スイッチがあり、画面のPINコードを設定しておけばそれを入力するだけで電源ONができます。
PINコードは4桁なのでセキュリティはガバガバです。なので私はPINコードを設定していません。
初回のツーリングで帰るときになぜか電源ONできず、キーを振ったり時間を置いたりして何とか電源ONになったと思ったら、画面に「キーと通信できない」的なアイコンが出てびっくりしました。しかもその状態で問題なく走行できるため、セキュリティが本当に大丈夫か不安になりました。
幸いにもこの症状はその後一度も発生していません。
Bluetooth機能
スマホと接続して通知や現在流れている曲名が出たり、曲送り等の操作が可能になる機能です。
私のスマホがマルチペアリングできないのと、Bluetoothオーディオのほうが必要性が高いため使用していません。
その他
足つきについて
178cm 78kgの人間が乗った場合、
URBANモードで両足のかかとがギリギリ届かない程度
ENDUROモードで両足の平で踏ん張れる程度
良いところ
機能の説明で大体書いていますが、ライディングモードの変更により別物になることが素晴らしいことです。
北海道を走った際には60km/hで12時間くらい走っても体への負担は特になかったです。
また、見た目がとてつもなくカッコ良いことです。
横から見たら蛇っぽい!
上から見たら鳥っぽい!
前から見たら牛っぽい!
そしてデカい!!
2015年モデルからカミキリムシっぽさが減って、より牛っぽい顔になりました。
悪いところ
重いことが第一ですかね。そのため気軽に未舗装路を走る気になりません。
右側ステップの位置、というより周辺デバイスの配置があまり良くなく、座った状態で踝にクランクケースが当たります。
踝を出した靴を履いた場合に靴下を履いていようが火傷します。
フレームも熱いためハイカットブーツ+革パンが必要かもしれません。
また、サイレンサーの根本に足が乗るのも気になります。
さらに、停車時に足を下した際にステップがふくらはぎに当たるため、余計に足を広げる必要があります。
まとめ
見た目と重さが同じ4台のバイクを所有しているのと同じなので、良く言えば何でもできる、悪く言えば器用貧乏です。
オンロードであれば何処へでも、いつまでも走って入れるバイクです。
ただ、オフロードをガンガン走るのであれば先に軽量オフロードで練習したほうが良いと思います。
また、自分で整備しない場合、お金に余裕がない人は乗らないほうが良いと思います。